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船上通信システム

技術適合基準を受けていない製品 

●非型式検定機(主に輸入された無線機やレーダーなど)
海外のメーカーや国内のメーカーが日本以外の国向けに製造している製品です。 仕様は、輸出国や製造国によって異なります。 例えば、電波の質や出力、CHの割り当てなどです。 海外では需要も多く、価格は検定機の1/2~1/4と格安です。日本国内で無線局免許申請することは可能ですが、電波の質などの電波法で定められた基準に合致していないと、検査に合格することができません。
VHFに限らず、レーダーやイーパブなど全ての無線設備は、日本の電波法の基準をクリアしていれば、免許申請して開局することができます。 ※イーパブについては、色々面倒が多いようです。

記事後半
●VHFの場合には、大きく欧州向けと米国向けの2つのバージョンがあるようです。米国モデルの場合には、CHプリセットにアメリカ仕様とカナダ仕様それと国際仕様の3つのチャンネルセットを切り替えることができます。 日本では国際に切り替えることになります。
修理などを考えると国内のメーカーの輸出モデルにしたいところですが、実際問題送料込みでも輸出国へ送って修理したほうが安いです。輸出モデルの保守パーツは国内に在庫がなく、パーツを輸入して修理するためです。

■レーダーの場合には、検査時の項目が、周波数測定のみです。日本の電波法の電波の質に対して問題なくクリアしていると思われます。 出力やスプリアスについては、測定が困難なので測定されません。 国内の検定機とくらべて、同じ性能なら価格は半値くらいです。同じ費用をかければ、相当高機能な製品を入手することができます。 出力によっては、無線従事者資格が不要なので、ご確認ください。

 

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 ICOM US. IC-M602

 Standard US. Spectrum +

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 FURUNO ELECTRONICS
Furuno 1622

 RAYMARINE INC.
R70 Plus 7" CRT Radar

 


◎輸入した無線機の性能について
このページを開設するきっかけになった、モデルの二艇は、ICOM Inc.のIC-M602とIC-M2Aで検査を受けましたが、電波法の電波の質はクリアしていました。但し、これはメーカーが保証する範囲では無いことをご承知おきください。

検査で最も、問題になるのが不要輻射(スプリアス)強度です。 不要輻射とは、無線機内で、目的の電波を作り出す過程で発生する、目的の電波(周波数)以外の不要な電波の事で、不要輻射電波が強いと他の無線通信に妨害を与えるので、電波法で許容値が決められてします。
スプリアスの許容値 142~162.0375MHz以内は、基本波より-80dB以下
            142~162.0375MHz以外は、基本波より-60dB以下  

★新スプリアス測定ルールが新たに施行されています。 要注意!

前者の142~162.0375MHz以内で発生するスプリアスは、最近のほとんどの無線機で採用されている電波の素を合成する回路(PLL)で発生する位相ノイズが考えられます。 この回路は、国内向け輸出向けで差は無いと考えられます。よって、同じメーカーで国内向け輸出向けで性能差は無いと思って良いでしょう。
後者の142~162.0375MHz以外の発生するスプリアスは、高調波、低調波と呼ばれるもので、これは無線機内で電波の素になる信号の周波数を何倍かして目的の周波数の電波を作りだす過程で発生します。 短波帯よりも高い周波数では、必ずこの周波数を倍化する回路(てい倍回路)をもっているので、目的の電波の周波数の下には整数分の一の周波数で低調波が、高い側では整数倍の周波数の高調波が発生します。 これらの不要成分は、無線機内のフィルター回路によって取り除かれます。 フィルターの性能が、不要輻射強度を抑える要となります。この回路は、無線機を使用する国の規制によって多少違いがあります。 日本の電波法では、-60dBとなっています。 -60dBという数値は、特別厳しいものではなく、一般的な無線機はこの程度の性能は持っています。 アマチュア無線用の無線機でもこの程度の性能は有しています。
以上のことから、スプリアスについては、あまり問題はないようです。 
その他、周波数のズレや、送信した時の電波の広がる幅なども特に厳しい値はありません。
モデル艇が検査前に指導を受けたのは、国際条約によって送信出力25W機の場合には、25Wを超えてはならず、1W低減時には、1Wを超えてはならない、同じく5W機は、5Wを越えてはならず、低減時1Wを超えてはならない、との事でした。
実際には、25W機で24.8W 1W低減時0.8W 5W機で、4.8W 1W低減時には、0.6Wでした。 電波法では、上限誤差も認められているのですが、VHFの場合には、国際条約の規制も適用されているようです

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